イシューからはじめよ
安宅和人さん著「イシューからはじめよ」を読みました。
「コンサルタントとしての入門書として社内でおすすめされていたし、とりあえず読んでみるか~。」
という大変消極的な理由で手を付けてみました。
本書の目的はいわゆる「バリューのある仕事」をいかにして行うかを学ぶという点にあります。
「バリューのある仕事」とは「イシュー度」と「解の質」の2つの軸において、どちらも高いレベルにあるもの、と定義されています。
とすると、「解の質」という点は割と想像しやすいと思うのですが、ここで問題になるのが「イシュー度」です。
「イシュー度」とは、本書の中では次のように定義されています。
①2つ以上の集団の中で決着のついていない問題
②根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題
この「イシュー」の見極めを正しく行った上で、「解の質」を高めていくということが重要、ということだそうです。
確かについつい「解の質」にとらわれがちになることってあるように感じます。
また、よいイシューの3条件として以下が挙げられています。
①本質的な選択肢である
⇒答えが出ることによって、その先の検討方向性に大きく影響を与えるということ。
②深い仮説がある
⇒仮説立案の段階で、何らかのスタンスを取る。検証できれば価値を生む仮説であるということ。
③答えを出せる
⇒答えを出す手段のある問題でなければ、よいイシューとは言えないということ。
上記の3点が基本となって、イシューを見極めた上で、解決に向かって取り組むべきということなのですね。
言われてみればどれも至極当たり前のことかもしれませんが、日々これを意識できているかというと怪しいですよね…。
さらにイシューを設定した後にもその磨き上げを随時行っていく方法、
(「So What?」を繰り返して深堀する、「知りすぎ(知識の入れすぎ)」に注意等々)
またイシューを分解してストーリーラインを組み立てる方法、
それぞれのイシューをどう分析してどうアウトプットに落とし込んでいくか、という一連の流れを、この「イシューからはじめる」アプローチで説明してくださっています。
コンサルタントとしての基本を学ぶには確かに良書であると感じました。
内容としても、具体例を交えながら平易になるように工夫されており、大変読みやすくなっています。
ただ、この本に書いてある内容をきちんとできるようになるには相当な鍛錬が必要になるな…とも感じました。
こればっかりは案件の中で実践して磨いていくしかなさそうですね。
とはいえ、コンサルへの転職を考えている方や、私のように転職したての方におすすめの一冊であると思います。